大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和37(オ)253 判決

主 文

原判決を破棄する。

上告人らは連帯して被上告人に対し二一万一、六二〇円およびこれに対

する昭和三三年一〇月二三日以降支払済みまで年六分の割合による金員の支払をせ

よ。

訴訟費用(損害賠償債権に関して生じたもの)中第二審の費用は上告人

らの、当審の費用は被上告人の各負担とする。

理 由

上告代理人安藤一二夫の上告理由について。

記録によれば、被上告人は、上告人A1との間の化粧品等の委託販売契約および

上告人A2、同A3との間の連帯保証契約に基づき、上告人らに対し連帯して三五

万二、七〇〇円の商品代金の支払を求め、第一審裁判所は右請求を認容すべきもの

として、被上告人勝訴の判決をしたのであるが、上告人らが右判決に対し原審に控

訴の申立をしたところ、被上告人は、前示委託販売契約を解除したから、上告人A

1は三五万二、七〇〇円相当の商品を引き渡すべき義務があるにかかわらず、引渡

の履行が不能となり、被上告人は同上告人に支払うべき報酬を控除した残額二一万

一、六二〇円相当の損害を被つたので、上告人らに対し、損害賠償として二一万一、

六二〇円の支払を求める旨陳述し、これにより、第一審判決において認容された商

品代金請求(以下旧請求という)を撤回するとともに、新らたに損害賠償請求(以

下新請求という)を主張し、訴を変更するにいたり、原審はこの新請求を認容すべ

き旨判示し、控訴を理由がないものとして棄却する旨の判決をしたことが認められ

る。しかしながら、新請求は原審にいたりはじめて主張されたものであるから、該

請求を認容すべきか否かの判断は、本来、第一審判決の当否、したがつて右判決に

対する控訴が理由があるか否かとなんら係りのないものであり、原審は新請求につ

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いて、実質上初審として、その当否を審究し、これを認容すべきものと判断したと

きは、主文において、請求に係る損害賠償金の支払を命ずべきであつて、控訴が理

由がないものとして棄却する筋合いではない(昭和三一年一二月二〇日第一小法廷

判決、民集一〇巻一五七三頁、昭和三二年二月二八日第一小法廷判決、民集一一巻

三七四頁参照)。されば、原審が損害賠償の新請求を認容すべき旨を判示しながら

主文で控訴棄却の判示をしたのは、民訴三八四条一項の解釈を誤り理由そごの違法

を蔵するものであり、この点において原判決は破棄を免れず、論旨は結局において

理由がある(なお、前示旧請求に関する審判申立の撤回は、他に特段の事情が認め

られない以上、訴を取り下げたものと認められるが、上告人らにおいて訴の変更に

対しなんら異議を述べた形跡はなく、新請求について弁論をしたことが明らかであ

るから、上告人らは右取下に対し暗黙に同意したものと解せられ(昭和三四年(オ)

第一〇九九号、昭和三八年一月一八日第二小法廷判決参照)、これにより、旧請求

の訴訟係属は消滅したものといわなければならない)。

本件は当裁判所において自判するに熟するから、民訴四〇八条一号、九五条、九

六条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

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